和紙の製造工程

B1の生徒が山十製紙さんの工場にお伺いして手漉き和紙の製造工程を見学させていただきました。

これが「コウゾ」です、と自宅の庭に植えてある木(少し黄葉している木)の実物をみせていただきました。

天井に高い大きな倉庫内には和紙の原料がたくさん蓄えてあります、故紙としてなぜか現金封筒は質がいいというお話でした。

まず原料をアルカリ性の水溶液が入った大きなタンクに浸けて煮ます、これを煮熟(しゃじゅく)といいます。昔は灰を使っていたので灰汁抜き、和紙に悪影響のある成分や不純物を取り除くための工程です。

煮た混合液を撹拌して繊維をそろえ、均一にします。

できあがった和紙の1枚の重さの違いは1%以内という紙漉の熟練技、掛け流し・調子・捨て水の工程です。慣れた手つきで大きな漉桁を扱って59年の経験だそうです。

漉いた和紙を漉簀(すきす)からはがして重ねて水を切り、さらに左奥の方に見えるプレス機で圧力をかけて絞り水分を抜きます(圧搾)。

天日で乾かすと板のように固くなります。

これに刷毛で水を塗って一枚ずつはがし、70℃くらいに加熱した鉄板にぴったり貼り付け乾燥させます。紙質が締まり、腰の強いみごとな和紙ができあがります。